前回: 自作ラズパイ戦車用の電源分岐基板を試作
3Dプリンターで作った部品でモック筐体を組み立てて、
(40cm x 20cm ぐらいになりまして、思ったよりデカくなりました)

床を走ってみるところまでいけました。
システム構成(予定)
構成についてまだ書いてなかったので簡単にまとめると、
- Raspberry Pi Zero W で通信とカメラ実装
- 電源基板、車体基板、砲塔基板の3層構成
- 砲塔を360度回転させるという自分自身の要望のため、スリップリングを採用予定で、カメラ配線の制約上ラズパイは砲塔に搭載
- 各基板はUARTでリレー通信する
現状は電源基板の試作まで完了という状態。
床走行の目的
そもそも動くのかどうかに加えて、下記4点
- 電源基板の設計最適化のため電流計測
- ESCアダプタ基板の実動作確認
- 減速比60のウォームギア/7200KVモーターでの速度感把握
- バッテリーをLiFeにしたので、実用できるか確認
電源基板の設計最適化
現状の電源基板はバッテリーからESC#1, ESC#2, SYSTEMの3箇所に分岐させつつ、それぞれヒューズを挟んでいます。(それぞれに電流計測回路を仕込み済み)
ESCはそれぞれ30A、SYSTEMは5Aヒューズです。(さらに、バッテリーと電源基板の間に80AのMAXIヒューズ)
設計当初はそもそも電流がどれぐらい流れるか分からなかったので、ESCとモーターの定格をベースに絶対に余裕だろうという値を入手できる範囲で選定しました。MAXIヒューズに関しては、LiPoバッテリーの発火への恐怖から設置。
一番負荷のかかる超信地旋回での電流計測次第では、電流設計がかなり楽になり
- ヒューズを1つに落とす
- コネクタの定格を落としてコンパクト化
が見込めます。
ESCアダプタ
手持ちモーターに付属していたESCは8bitマイコンベースの今となっては古い基板なので、アリエクのセールで4個4000円程になっていたAM32ベースのESCを購入しました。

ただ、これにケーブルとバルクコンデンサを直接実装するスキルがなかったので(失敗して2個死亡)アダプタ基板を制作しました。


半月形状にして、キャスタレーション作戦です。
JLCPCBで発注したのですが、念のため追加料金を払ってキャスタレーションコースにしました。
駆動まわり
手持ちの7200KVブラシレスモーターは、「戦車作りたい」と思って学生の時に購入した物を活用したく、縛りプレイです。
さすがに速すぎるので、減速比60の真鍮製ウォームギアを購入、ギアボックスは3Dプリンターで作成しました。
今回の床走行は、自作ギアボックスがそもそも実用可能なのか、という確認が主です。


バッテリー
手持ちのLiPoバッテリーは購入から5年以上は経過しており、劣化が心配だったのでYR1035+を購入して内部抵抗を測定した結果24mΩでした。新品で性能の良い物だと数mΩだったりするみたいなので、かなり劣化していると判断して廃棄。後継としてLF1100を購入しました。LiFeかつ少なめの容量なのでコンパクトさと安全性が跳ね上がりますが、内部抵抗は60mΩと高め、電圧は公称6.6Vなので熱設計と動作電圧の制約を受けます。

走行結果
床走行は冒頭の動画の通り、無事成功しました。ESCアダプタも問題なし。
モーターの出力は50%までとしています。これ以上は減速比60でも速すぎますし、おそらく駆動まわりが機械的に耐えられそうにないです。
電流計測
各ESCへの供給は、最大で3.5A程度となりました。合計7A前後ということになりますので、思ったよりかなり小さいです。

この結果を基に、電源基板を再設計予定。
バッテリーもLF1100で問題なさそうです。
自作ギアボックスとギア
1回あたり数秒の走行を20回ぐらい繰り返しましたが、ギアの破損とかは無かったです。
もしかしたらスパーギアの多段構成にしないと厳しいかもとか思ってましたが、しばらくはこの構成でいけそう。
その他、補足など
今回の床走行結果とは関係なかったりしますが、制作中に気付いたこととか。
アリエクやアマゾンで軸まわりを調達すると失敗する
最初はシャフト、シャフトカラー、ベアリングをアリエクとアマゾンで調達してみたのですが、どれも精度がバラバラで体験悪かったので、モノタロウで国内企業の製品を買いなおすなどしました。
ギアボックス
モーターが速いので、ギアボックスの要求精度がホビーとしては高めになっている気がします。
- ベアリングの固定
- シャフトの固定(ベアリング内輪に当たるタイプのカラーなど)
- ギア間のクリアランス
などを妥協せずに組まないと、シャフトがベアリング内で空転したりして焦げ付きが発生する。
あと、現状構成の問題ですが、ウォームギアのペアが両方とも真鍮製なのが設計上良くないとのこと。
ウォームギアの定石は、片方を別種の柔らかめの金属にして摩耗をコントロールすることみたいです。(AIより)
次回の作業
床走行は最低限できたので、砲塔に進みます。
最終的にはBB弾を発射したいので、BB弾の給弾機構から。
中空スリップリングの中心を通して、スクリュー給弾機構で車体から砲塔へBB弾を供給したい。
このあたりの仕様がきまれば、全体的なレイアウトが決まっていくはず。
参考にしている戦車のモデルは74式自走105mmりゅう弾砲です。(自走砲なので、戦車ではないですが)